本県特産の鹿革は、高級な武道具や印伝の材料や、楽器・めがね等を美しく磨くセーム革にもちいられています。明治時代にその産地としての歴史が始まり、現在では全国唯一の伝統的鹿革生産地となっています。しかし、製造方法に由来する溶出ホルムアルデヒド濃度が高いことから新規用途開発が困難とされ、溶出ホルムアルデヒド抑制技術が鹿革なめし業界から求められてきました。当センターでは、「微生物を用いたホルムアルデヒド除去技術の研究」において、ホルムアルデヒド耐性・分解微生物を分離し、鹿革のホルムアルデヒド抑制に効果があるとの結果を得ました。この微生物の力は、鹿革産業だけでなく幅広い産業に応用可能ではないかと考えています。